自閉症の方は、聴覚よりも視覚的な理解が優れていると言われています。
言葉で言われる事よりも、目で見た物の方がよく理解できると言うことです。
例えば、自閉症の方に話しかけても、まるで聞こえていないかのように反応を示さないことがあります。例え話や抽象的な語句の理解も苦手な傾向にあります。
でも車の絵カードを見せると、ドライブに行くことを理解し、満面の笑顔を見せてくれます。
支援において、場面で声かけをする場合には絵カードや統一されたサイン等を用いて視覚的に提示すると意味が伝わりやすいです。
しかし、いつも絵カードを持ち歩いているわけではありませんね。次に「声かけをするのなら」をまとめてみました。
1.簡単な単語で(重要な所を強調してあげます→中枢性統合の弱さ参照)
例)✕車に乗って、開成を抜けて松田から246号に乗り、1時間車で移動します
○ドライブ行きます
職員間で、ドライブはドライブだと統一しましょう。人によって、「ドライブ」だったり「ぶーぶー」だったり「白い車」だったりすると混乱を招きます。1対1の意味付け(物理的構造化参照下さい)で混乱を防ぐことが出来ます
3.何回か繰り返します。
声かけでは1回でわからないこともあります(注意障害)が、こちらに注意を向けていない可能性があるので、数回同じ言葉を繰り返して伝えてみましょう。それでも理解していない場合には、絵カード等視覚的な指示に変更します。
4.視覚的な支持を併用すると理解しやすくなります。(絵カードを使って「ドライブ」と伝えてみて下さい)
5.視覚的な注意を引くという意味で、声かけの場合には、自閉症の方の正面に立って話して
あげて下さい。こちらへ注意を向けてくれます。肩をポンポン叩いてから話しかける
のも良いでしょう。
6.もちろん指示を出すときに大声をだしてはいけません。
声が小さくて聞こえていないのかな?と思うことが多々ありますが、大きな声を出すと聴覚過敏のある方にはとても不快な情報になってしまいます。聞こえていなさそうなら、大きな声を出すのではなく、正面に立って絵カード提示です。