「実行機能」とは、目的を持つ一連の活動を効果的に行うために必要な機能です。簡単に言えば「計画を段取りよくこなす能力」と表現できます。

 実行機能が低下すると、「他のことに気を取られこれからの事を忘れてしまう」「順序だった行動が取れなくなる」等により、「今やることではないような他のことをやり始めてしまう」「些細なところに時間をかけすぎてしまう」などといった事が頻繁に起きてしまいます。

 

 例)お散歩に行こうとすると、途中で事務所の中が気になり、覗き込んで動かなくなったり、玄関でお気に入りの靴遊びを始めてしまったり、散歩途中の近所の犬に興味をひいて立ち止まったりして、ゴールになかなかたどり着けない。


 実行機能は、大まかに言うと「経時処理能力:一つずつ順番に課題を進める能力」と「同時処理能力:複数の課題を並行して行う能力」の2つの能力で構成されています。

 

例)経時処理能力:家を出て電車に乗る

→家を出て、バス停まで行って、バスを待って、バスに乗って、乗車券を取って・・・切符を買って、改札を通って、駅のホームに時間までにたどり着き、電車に乗る。

例)同時処理能力:料理

→ご飯が炊けるのと、おかずができあがるのと、味噌汁ができるのが、皆が揃う時間までに同時に終わらせる必要があります。

 

 この2つの能力は「時間」を上手く使いこなせないとうまく発揮できないということは理解できますね。つまり「実行機能」は時間の概念や、時間管理能力と深い関係を持つ能力だといえます


 TEACCHでは、この困難の解決策として、時間の構造化(スケジュール)ワークシステム(活動の構造化)という手法を用います。