不適切行動はどのようにして成立するのでしょうか。 

 行動を起こすのならば、何か理由があるはずです。そして、もしかしたら「周りの環境が違ったら、その行動を起こすことは無かった」のではないでしょうか。

 

 例えば「音がうるさい」場合です。発達障がいの方は聴覚過敏があるのでしたね。

 

 ひっきりなしに道路を行き交う車のクラクションとバイクのエンジン音、すれ違う人達の話し声や笑い声、大音量のバーゲンセールの音楽と、マイク越しのかん高い呼び込みの声、ゆっくりと通り過ぎる宣伝カー、パチンコ屋のBGMにヘリコプターの爆音・・・買い物途中の利用者さんは「音がうるさくて嫌だなあ・・・」と頭を叩き始めます。

 いつもの支援員さんならば気付いてくれたのかも知れません。新任の支援員さんは「音がうるさいのサイン」に気付きません。

 不快である事に気付いてもらえず状況が打開できません。不快感が高まり、とうとう大声を出して座り込み、頭をがんがん地面に打ち付け始めました。不適切行動の自傷です。